前回に引き続き、ウッドフェンス制作の模様です。(ウッドフェンス制作の記事一覧)
正確なフェンスを作るうえでの課題
今回計画しているフェンスはこんなデザインです。
左右の端部は45mmの横板はみ出し、その結果支柱間ピッチは910mmないしは1000mmとなります。図面上は記載ありませんが、笠木(雨除けとなる上端に貼る横板)も設置する予定です。ウッドフェンスの支柱は1つ20kg程度の重さがあります。掘る穴も700mm近くあり、気軽に位置を変更できません。卓上で完結する木工作品とは異なり気軽に微調整ができないので、ずれない工夫、ずれを吸収できる設計が重要です。
高さをどうするか問題
水平が取れている基礎や基礎石の上に長さを測った木材を置く場合は、垂直だけ確認すれば高さを気にする必要はないのですが、掘っ立て柱にする場合は高さ問題が出てきます。というのは確実に同じ深さの穴を掘ることが難しい以上、高さを揃えることも難しいからです。笠木(雨除けとなる上端に貼る横板)を設置しないのであれば、多少の高さズレは御愛嬌といえるかもしれませんが、笠木を設置する場合はそうもいきません。
検討案1 基礎石
こういう基礎石をあらかじめ埋め込んで水平を取っておけば、理論上底の高さも水平となるはず。しかし、90角の柱を底までしっかり差し込めて、かつ600mm程度の深さのある基礎石ってなかなか売ってないし、あっても高い。一個60kg以上するので施工性も極めて悪い。ウリン支柱の底部をテーパー状に削ってもっと小さな基礎石に差し込むとかも考えましたが、ウリンを何十本もテーパー状に加工することを考えると、やはり選択肢としてはないと思いました。
検討案2 頑張って底の深さを均一にする
600mmの目印をした棒を作って、均等に深い穴を掘っていくことも考えましたが、やはり精度の面で二の足を踏みました。
検討案3 長めの支柱を立てて、後で切る
最初から長めの支柱を立てて、後で均一の高さに切ります。手鋸だと現実的ではないので、丸鋸が前提となります。これが一番楽で、安く、確実な方法ではありますが、本来の丸鋸の使い方ではないため大怪我のリスクが伴います。
他にも堀を掘って、モルタル流し込んで地中に土台を作るとかも考えましたが、最終的には案2,3で悩みました。案3が現実的なのですが、やはり怪我のリスクが怖いです。最悪、丸鋸で切るところだけでもプロの力を借りればよいかと案3で進めようと思いました。
基準線からのオフセット位置をどうするか問題
次に解説する支柱間ピッチとあわせて、支柱を東西南北(垂直方向を除いたx-y軸)方向に正確に設置するのが難しいという問題です。幸い、うちの場合は基準となるブロック塀があったので、適当な長さの木材を治具にして、支柱とブロック塀の間に挟むことで解決しました。
支柱間ピッチをどうするか問題
設計段階では1,000mm程度〜1,500mmで悩みましたが、今回作る東面フェンスは敷地外が駐車場や田畑で広く開けており、風通しが良いことから強度重視で1,000mmピッチとしました。
施工上の問題はピッチ通りに支柱を正確に置くことです。基本的に一人で作業をしているのでメジャーで測りながら支柱の位置を決めるというのもなかなか難しいです。垂直を確保しなければならないこともあり、色々と考えた結果、以下の図のような治具を使ったやり方を考えています。
まずは基準となる支柱を立て、長さ1,000mmの板を2枚用意します。それらの板を基準となる柱に直角に正確に取り付けます。このとき、基準となる柱の地上から1,800mmの位置も決め、1枚目の板は地上1,800mmの場所に取り付けます。2枚目の板は将来目立たない場所であればどこでも良いと思います。この2枚の板で2本目の支柱を支持・固定する計画です。
2穴目を掘り、穴の底に砕石を敷き詰めしっかり転圧します。2穴目に対して2本目の支柱を仮に立て、2枚の板治具と2本目の支柱を直角に固定します。支柱の重さの大部分は地面で受けているのでこれでしっかり固定できるはず。2本目の支柱に地上1,800mmのラインが出るので、本格的にモルタルで固定する前に一度固定を外して、安全な馬の上で地上1,800mmラインを丸鋸で切断できるかもしれません。うまくいくか試してみたいと思います。板治具の固定はビスを想定していますが、クランプでもいけるかも?色々と試してみます。
本当は横板と横板のつなぎ目の部分に5mm程度の隙間をあけておき、多少のピッチズレはそこで吸収できるようにするのが良い気がします。が、今回はそのことを考えずに進めてみたいと思います。